当院の治療コンセプト
根管治療とは、歯の神経や血管が通っている根管の内部から虫歯にかかってしまった組織を除去し、内部を綺麗にして薬剤を詰める処置を指します。
当院では「全ての患者様の大切な歯を守りたい」という思いから、根管治療に特に力を入れており、他院に比べるとしっかりと時間をかけ治療しております。悪くなったからといって安易に歯を抜くのではなく、根管治療をすることでご自身の歯を長く使い続けられるように全力でサポート致します。一般に根管治療では通院回数が多くなるといわれていますが、当院では通常なら4~5回の通院が必要な治療内容であっても2回ほどの通院で治療が完了するケースが多くなっています。 細菌の侵入を防ぐラバーダムを使用しながら、マイクロスコープによる拡大視野下で時間をかけて丁寧に処置することによって、治療回数が少なくても再発リスクが少なく、体に優しい治療が可能になっています。他院で抜歯を勧められたケースでも当院の緻密な根管治療によって根管治療で守ることができる場合がありますので、お気軽にお問い合わせください。
細菌に対する処置
根管の治療中、唾液に含まれている細菌が根管内に入り込むことを防ぐために欠かせない器具がラバーダムという薄いゴム製のシートです。ラバーダムを使うことによって、次のような多くのメリットを得ることができます。
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唾液による感染を防ぐ
ラバーダムを使用して治療する歯だけを隔離することで、唾液に含まれているさまざまな口腔内細菌が根管に侵入することを防ぎ、清潔な環境での処置が可能になります。ラバーダム防湿を行わない根管治療では唾液内の細菌に感染する可能性が高まり、治療の成功率が下がってしまいます。
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治療部分の消毒
根管治療を行う部分は清潔な状態を保つ必要がありますが、消毒してもそこに唾液が流れ込むと消毒剤の効果がなくなってしまいます。ラバーダムを使うことで、消毒剤が唾液に流されることなく安全な治療ができるようになります。
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水分を遮断する
歯の根の中を綺麗にした後は、再び細菌に感染しないように薬を詰める工程を踏みますが、その際に歯の根の中を乾燥させて薬を歯に密着させる必要があります。ラバーダムをつけることによって、湿度の高いお口の中でも呼吸中の水分を防ぎ、歯の根の中にしっかりと薬を入れることができます。
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殺菌力の強い薬の使用を可能にする
根管内を消毒する際に、患部の状態によっては殺菌力の強い消毒剤を使用する場合があります。ラバーダムは必要な部分以外に消毒剤が漏れ出すことを防ぐ効果もあるので、強い消毒剤によってお口の中で苦味や熱さを感じることがありません。
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器具が口の中に落下することを防ぐ
根管治療では、針金のように尖った器具を使って処置を行います。ラバーダムがあることで器具が口の中に落ちたり、器具で舌や頬を傷つけたり、間違って飲み込んでしまったりということを防ぎ、安全に治療を進めることができます。
マイクロスコープ、CTを使用した高品質な根管治療
一般の歯科医院では今でも勘と経験を頼りに肉眼で行う治療が主流であり、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用している医院の数は多くありません。当院では早くからマイクロスコープを導入しており、特に緻密な根管治療においては必ず使用することを心がけています。マイクロスコープを用いると、これまで肉眼ではまったく見ることができなかった根管の内部から歯周組織、歯の切削面などのさまざまな状態がまるで手に取るようにはっきりと確認できるので、より精度の高い歯科治療が実現します。小さな虫歯や根管の内部までしっかり確認できるために病気のリスクを早期に把握でき、治療の効率がアップして患者様への負担も少なくなります。マイクロスコープで見える映像をモニターに映しだすことが可能であり、患者様に実際にご自身の歯の状態を見ていただくことで、治療への理解が深まることも大きなメリットです。
自家歯牙移植(歯の移植)にも対応
歯を失った際に、親知らずや歯列から完全にはみ出している歯などが他にあれば、その歯を抜いて失った歯の部位に移植する「自家歯牙移植」という方法を取ることができる場合があります。自家歯牙移植では同じご自身の歯を利用するため、他人の臓器移植のような拒絶反応が起こらず、成功率が高いという利点があります。問題なく移植できれば、元々その部分にあった歯と変わりなく快適に噛むことができるようになります。移植に適した歯かどうかはCTをとって診断してみないとわかりませんが、インプラント治療よりも患者様の経済的な負担が抑えられる点が大きな魅力です。
外傷歯(歯が折れた時)の対処
日常生活では、気をつけていても転倒や物がぶつかった時などに歯に強い力がかかり、歯が抜け落ちたり歯が割れたりするような事故に遭うことがあります。歯の怪我は「欠ける」「折れる」といった破折性の外傷と、「ぐらつく」「抜ける」といった脱臼性の外傷に分かれます。怪我をした後に適切な処置が行われれば、神経を抜かず、被せることなく、元通りに治る可能性が高くなります。大切な歯を失わずに残すためには、できるだけ早く歯科医院で処置を受けることが重要です。歯が欠けた場合や折れた場合の歯の破片、抜けてしまった歯そのものはできるだけ牛乳に漬け乾燥させないようにして、歯科医院までお持ちください。